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相続した不動産に未登記建物がある場合の売却方法

  • 7月31日
  • 読了時間: 8分

相続した土地の登記事項証明書を取得したところ、現地には家や物置があるのに建物の登記が見当たらないことがあります。この状態を未登記建物といいます。古い実家、増築した離れ、倉庫などで見つかりやすい問題です。

未登記建物があっても、売買契約を結ぶこと自体が直ちに不可能になるわけではありません。ただし、建物の所有者を登記で確認できず、買主への権利移転や住宅ローン、契約条件に影響します。建物を残して売るのか、買主が解体するのか、売主が解体して土地として渡すのかにより、必要な対応が変わります。

名義、空き家、売却方法をまとめて整理したい場合は、相続不動産の整理・売却相談をご確認ください。売却を決める前でも、登記を整える場合と現況のまま売る場合を比較できます。



この記事の結論

未登記建物があっても売却できる場合はありますが、所有者と建物の内容を先に確認します。

建物を利用する買主や融資を使う買主には、表題登記・所有権保存登記が求められやすくなります。

登記して売る、未登記のまま現況で売る、解体して土地で売る方法を、総費用と手取りで比較します。



未登記建物がある不動産を売る3つの方法

方法

向いている場面・注意点

登記を整えて売る

建物を利用する買主へ売る。資料収集、測量、登記の期間と費用が必要

未登記のまま現況で売る

解体・改修前提の買取など。買主が限られ、所有関係と処理方法の明記が必要

解体して土地として売る

老朽建物を残さない。再建築可否、解体費、税金、届出を解体前に確認


1.建物の登記を整えてから売る

建物を中古住宅として利用する買主へ売る場合は、まず建物表題登記により所在、種類、構造、床面積、所有者などを登記します。その後、権利に関する所有権保存登記を行い、売買による所有権移転登記ができる状態へ整えるのが基本です。

表題登記では、建築確認済証、検査済証、工事請負契約書、領収書、固定資産税資料など、建物を建築・所有したことを示す資料を確認します。古い建物で資料が残っていない場合は、土地家屋調査士が現地調査を行い、法務局と相談しながら所有権証明情報をそろえます。権利登記は司法書士へ確認します。


2.未登記のまま現況で売る

不動産会社の買取や、買主が取得後に解体する売買では、未登記建物を残したまま引き渡せることがあります。売主側の登記費用や期間を抑えやすい反面、一般の住宅ローンを利用する個人買主には検討しにくく、買主が限定されます。

契約書には、建物が未登記であること、課税上の所有者、建物の範囲、引渡し後の使用・解体、登記を行う場合の負担、第三者から権利主張があった場合の扱いを明記します。「建物は無価値だから土地だけ売る」と扱うのではなく、現地に存在する建物も売買対象または処分対象として特定します。


3.建物を解体して土地として売る

建物が老朽化し、買主が利用しない場合は、売主が解体して土地として売る方法があります。未登記建物は登記簿がないため、通常は登記上の建物滅失登記を申請する対象が存在しませんが、自治体には家屋取壊しの届出などが必要になる場合があります。課税を止める手続は自治体ごとに確認します。

解体を先行すると、再建築不可であることが後から分かって建物を失う、住宅用地の固定資産税特例に影響する、解体費が想定を超えるといったリスクがあります。接道、私道、境界、越境、建築時期、アスベスト、地中埋設物を調べ、古家付きのまま売る条件とも比較してから決めます。



売却前に確認する5つのポイント


1.本当に建物登記がないか

土地の登記事項証明書だけでは、同じ敷地上の建物登記の有無は確定できません。法務局で建物の登記事項証明書、閉鎖事項証明書、建物図面などを調べます。母屋は登記済みでも、離れ、物置、車庫、増築部分だけが登記されていない場合もあるため、登記床面積と現況を照合します。


2.固定資産税の課税資料に載っているか

法務局の登記と自治体の課税は別制度です。建物が未登記でも、自治体の調査により固定資産税が課税されていることがあります。納税通知書の課税明細、名寄帳、固定資産評価証明書を取得し、所在地、種類、床面積、評価額、納税義務者を確認します。課税されているから登記済みとは限りません。


3.建物を誰が建て、誰が相続したか

土地所有者と建物所有者が同じとは限りません。親が土地を所有し、祖父が建物を建てた、親族が費用を出した、借地上に建てたといった事情もあります。建築資料、領収書、相続税申告書、課税資料、火災保険、公共料金、親族の説明を集め、建物の所有者と相続人を特定します。

故人の所有建物であれば、遺産分割協議の対象に含めます。相続人の一人が土地を取得していても、未登記建物の帰属を決めていなければ、売却や解体について後から争いになる可能性があります。土地と建物を誰が取得するか、売却代金や費用をどう分けるかを書面に残します。


4.建物を残す価値と再建築可否

登記費用をかけるべきかは、建物の利用価値と買主の希望で変わります。構造、築年、雨漏り、傾き、耐震性、違法増築の可能性を確認し、修繕して使えるかを見ます。同時に接道条件を確認し、解体後に建替えできるかを調べます。再建築不可の建物は、先に壊すと利用価値が大きく下がる場合があります。

接道や建替えの可否に不安がある場合は、再建築不可物件の整理・売却相談もあわせてご確認ください。


5.買主の融資と契約条件

建物登記がなければ、金融機関が担保として建物を確認・設定できず、住宅ローン審査が進まないことがあります。現金購入や解体前提の買主なら対応できる場合があるため、未登記であることを査定時から伝えます。買主の利用目的、融資条件、登記・解体の期限を確認してから売買契約を結びます。



未登記建物を見つけたときの進め方

最初に土地・建物の登記資料と固定資産税資料を集め、現況と照合します。次に戸籍、遺産分割協議書、建築資料などから建物の所有者と相続人を整理し、土地家屋調査士へ表題登記の可否と必要資料を確認します。同時に不動産会社へ、登記整理後、未登記の現況、解体後の3条件で査定を依頼します。

比較するのは査定額だけではありません。測量・登記費用、登録免許税、解体費、売却までの固定資産税や管理費、手続期間を差し引いた手取りを見ます。買主が決まってから登記や解体を行う方法もありますが、契約前に専門家へ実行可能性と期限を確認することが必要です。

未登記建物は、登記を整えること自体を目的にせず、買主の利用方法と売却条件から必要な手続を逆算すると、不要な費用や解体を避けやすくなります。




よくある質問

Q.未登記建物にも固定資産税はかかりますか?

A.登記がなくても、自治体が家屋として把握していれば固定資産税が課税されます。課税明細や名寄帳で確認してください。反対に課税資料へ載っていても、法務局で登記されているとは限りません。

A.未登記でも相続財産から外れるわけではありません。固定資産税評価額や建物の状況を確認して申告します。個別の評価や申告は税理士へ確認してください。

A.異なります。表題登記は建物の所在・種類・構造・床面積などを公示し、所有権保存登記は所有権に関する最初の登記です。売却方法に応じて土地家屋調査士と司法書士へ確認します。

A.建物が古いだけで先に解体するのは避けます。再建築可否、解体費、固定資産税、買主の利用意向を調べ、古家付き売却と比較して決めます。



まとめ

相続した不動産に未登記建物があっても、登記を整えて売る、未登記のまま現況で売る、解体して土地として売る方法があります。どの方法が適切かは、建物の利用価値、所有関係、買主の融資、再建築可否によって変わります。

まず登記資料と課税資料を照合し、建物の所有者と相続人を特定します。そのうえで登記費用、解体費、期間、税負担を含む手取りを比較し、契約書に未登記建物の扱いを明記します。解体や契約を先行せず、土地家屋調査士、司法書士、不動産会社などと順序を整理することが重要です。



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参考文献・公的資料


売却方法が決まっていない段階でも相談できます。建物を残す場合、登記する場合、解体する場合の条件を比較します。


※未登記建物の登記、相続、税務、建築・解体手続は個別事情により異なります。法務局、自治体、土地家屋調査士、司法書士、税理士、不動産会社などへご確認ください。

 
 
 

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