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相続した実家を売却する流れ|最初に確認したい7つのこと

  • 7月17日
  • 読了時間: 11分

更新日:7月27日

親が亡くなり実家を相続したものの、「何から始めればよいのか分からない」「名義が親のままでも査定を依頼できるのか」「家財を片付けてからでないと売れないのか」と迷う方は少なくありません。

相続した実家の売却は、一般的な自宅の売却とは異なり、相続人の確認、遺産分割相続登記などの手続きが関係します。建物の老朽化や残置物、境界、私道などの問題が、売却を始めてから分かることもあります。

大切なのは、最初から「売る」と決めて急いで片付けや解体をすることではありません。まず現状を確認し、売る・残す・貸すといった選択肢を比べられる状態にすることです。

この記事では、相続した実家を売却する全体の流れと、最初に確認したい7つのことを順番に解説します。

この記事でわかること

  • 相続した実家を売却するまでの基本的な流れ

  • 最初に確認しておきたい7項目

  • 片付けや解体を急がない方がよい理由

  • 不動産会社や専門家へ相談するタイミング


相続した実家を売却する基本的な流れ

相続した実家の売却は、おおむね次の順番で進みます。


売却を検討する段階で相続登記が完了していなくても、不動産会社への相談や査定はできます。ただし、故人名義のまま買主へ所有権を移すことはできないため、最終的には相続登記が必要です。

また、相続人同士で意見がまとまっていない状態で売却活動だけを先行させると、価格や条件を決める段階で止まる可能性があります。「誰が相続するのか」「売却する場合、誰が窓口になるのか」を早めに整理しておくことが重要です。



相続した実家を売却する流れ|最初に確認したい7つのこと


1.遺言書があるか

最初に、亡くなった方が遺言書を残していないか確認します。遺言書の内容によって、実家を取得する人や手続きの進め方が変わるためです。

自宅の金庫や引き出しだけでなく、公正証書遺言については公証役場の検索制度、自筆証書遺言書保管制度を利用していた場合は法務局への確認も検討します。

遺言書を見つけた場合、種類によっては家庭裁判所での検認が必要です。封がされている遺言書を自己判断で開封せず、司法書士や弁護士などへ確認すると安心です。



2.相続人は誰か、売却についてどう考えているか

実家を売却するには、誰が相続人になるのかを戸籍で確認します。配偶者や子どもだけだと思っていても、家族関係や過去の相続状況によって確認範囲が広がる場合があります。

相続人が複数いる場合は、法的な相続関係の確認だけでなく、それぞれの意向も早めに聞いておきます。


  • 売却して現金で分けたい

  • 実家を残したい

  • 自分または家族が住みたい

  • 賃貸として活用したい

  • 当面は判断を保留したい


考え方が違っていても、この段階で結論を出す必要はありません。ただし、意見の違いを把握しないまま査定や片付けを進めると、「売るとは聞いていない」「その価格では同意できない」と話が止まることがあります。


実務上のポイント|手続きが正しくても、全員が納得するとは限りません

相続不動産では、法律上の手続きを整えることと、相続人全員が納得できる方向を決めることは別の問題です。価格だけでなく、思い出のある実家を手放すことへの抵抗や、介護・管理・固定資産税を負担してきた人の気持ちが影響することもあります。売却を急ぐより、誰が何を負担してきたのか、各相続人が何を希望しているのかを確認する方が、結果として進めやすくなる場合があります。

3.相続財産と借入れの状況

実家だけでなく、預貯金、株式、ほかの土地・建物、借入れ、未払い金など、相続財産と債務の全体を確認します。

住宅ローンが残っている場合は、金融機関や団体信用生命保険の状況を確認します。実家に抵当権が付いたままの場合は、売却代金や自己資金によって抹消できるかを検討しなければなりません。

相続放棄限定承認を検討する可能性がある場合は、財産を処分する前に専門家へ相談してください。相続放棄は原則として、自分のために相続が始まったことを知ったときから3か月以内に判断する必要があります。



4.土地と建物の登記名義

登記事項証明書を取得し、土地と建物の名義をそれぞれ確認します。固定資産税を支払っている人と、登記上の所有者は必ずしも同じではありません。

確認したいのは次の点です。


  • 土地と建物が亡くなった方の名義になっているか

  • 祖父母など、さらに前の世代の名義が残っていないか

  • 土地と建物の名義人が一致しているか

  • 共有者がいないか

  • 抵当権などが残っていないか

  • 私道持分や付属する土地に見落としがないか


2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されています。相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が原則です。2024年4月1日より前に発生した相続で未登記の不動産も対象となり、原則として2027年3月31日までに対応する必要があります。

遺産分割がすぐにまとまらない場合には相続人申告登記という制度もありますが、これだけでは売却できません。売却時には、実際に不動産を取得する人への相続登記が別途必要です。



5.実家の状態と残置物

室内外を確認し、家財、雨漏り、シロアリ、傾き、設備の故障、庭木、ブロック塀などの状態を把握します。遠方に住んでいる場合でも、一度は現地を確認するか、信頼できる人や不動産会社へ確認を依頼した方がよいでしょう。

ただし、査定前に家財をすべて処分したり、リフォームしたりする必要はありません。残置物がある状態で売却できる場合もあり、買取であれば現状のまま引き渡せることもあります。

片付け費用を先にかけても、その分だけ高く売れるとは限りません。まず現状で査定を受け、片付ける範囲と費用対効果を確認します。



6.境界・道路・越境などの売却条件

建物の中だけでなく、土地の境界や接道状況も確認します。


  • 境界標があるか

  • 隣地との間に越境物がないか

  • 前面道路が公道か私道か

  • 私道持分を所有しているか

  • 通行・掘削に関する承諾書があるか

  • 建て替えができる土地か

  • 増築部分や未登記建物がないか


現在まで問題なく暮らせていた実家でも、売却時には買主や金融機関が権利関係を確認します。私道の承諾や境界、増築などの問題が見つかると、売却価格だけでなく、買主が住宅ローンを利用できるか、引渡しまでに何を整えるかにも影響します。


ここが判断のポイント|見た目だけでは売却条件は分かりません

さくら都市デザインが相談を受ける不動産でも、長年普通に利用できていたため、所有者が問題に気づいていないケースがあります。登記、境界、私道、越境、増築の状況は、売却を始めてから確認するのではなく、査定と並行して早めに洗い出すことが大切です。問題があっても直ちに売れないとは限りませんが、確認しないまま一般的な物件と同じ条件で売り出すと、契約直前に話が止まる可能性があります。


7.維持費、税金、売却の期限

実家を所有している間は、固定資産税・都市計画税、火災保険、管理費、庭木の手入れ、修繕、交通費などが発生します。マンションであれば管理費や修繕積立金も必要です。

売却益が出た場合には譲渡所得税がかかる可能性があります。取得費が分からない場合や、相続税を支払っている場合、亡くなった方が一人で暮らしていた家を売却する場合などは、利用できる特例や税額が変わることがあります。

一定の要件を満たす相続空き家には、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例がありますが、売却時期、建築時期、耐震性、相続人の数など複数の条件があります。解体や売却方法を決める前に、税理士や税務署へ確認してください。

売却価格だけでなく、「保有を続ける間にいくらかかるか」「いつまでに売却する必要があるか」まで比較して判断することが重要です。



相続した実家は、片付けや解体の前に査定を受ける

古い実家を見ると、「中を空にしなければ売れない」「建物を壊した方が高く売れる」と考えがちです。しかし、先に費用をかけることが最善とは限りません。

建物を残したまま古家付き土地として売る方法、残置物ごと買い取ってもらう方法、解体して更地で売る方法など、複数の選択肢があります。地域の需要、建物の状態、解体費、土地の接道条件などによって適切な方法は変わります。

特に再建築できない可能性がある土地では、建物を解体すると活用方法が狭まる場合があります。解体や大規模な片付けを依頼する前に、不動産会社へ現状を見てもらいましょう。



仲介と買取のどちらで売るかを決める

相続した実家の主な売却方法には、不動産会社が買主を探す「仲介」と、不動産会社が直接購入する「買取」があります。

比較項目

仲介

買取

売却価格

市場価格での成約を目指しやすい

仲介より低くなる傾向がある

売却期間

買主が見つかるまで時間がかかることがあ

条件が合えば比較的早く進めやすい

片付け・修繕

買主に合わせた対応が必要になる場合がある

現状のまま対応できる場合がある

内覧

複数回必要になることがある

原則として一般の購入希望者の内覧はない

向いているケース

時間をかけて価格を重視したい

期限がある、残置物や建物に問題がある

仲介と買取のどちらが優れているということではありません。価格、期限、手間、建物の状態、相続人の希望を踏まえて選びます。複雑な権利関係や建物の問題がある場合には、一般の買主へ売り出す前に、どの条件なら取引できるかを確認する必要があります。



このような場合は、売却活動の前にご相談ください

  • 相続人が複数いて、意見がまとまっていない

  • 登記が親や祖父母の名義のままになっている

  • 実家に家財が大量に残っている

  • 建物が古く、雨漏りや傾きがある

  • 境界や越境について確認できていない

  • 私道持分や通行・掘削承諾の有無が分からない

  • 仲介と買取のどちらがよいか判断できない


相続した実家は、問題をすべて解決してから不動産会社へ相談する必要はありません。現状を確認したうえで、先に対応すべきことと、売却条件に含めて整理できることを分ける方が、無駄な費用や手続きを抑えられる場合があります。





相続した実家の売却についてよくある質問

相続登記前でも不動産会社へ相談できますか?

相談や査定は可能です。ただし、故人名義のまま買主へ所有権を移転することはできないため、売買契約や引渡しまでのどの段階で相続登記を完了させるか確認が必要です。

査定できます。残置物をすべて処分してから依頼する必要はありません。売却方法によっては残したまま引き渡せるため、先に処分費用をかける前に相談することをおすすめします。

不動産全体を売却するには、原則として所有者全員の同意が必要です。まず、反対している理由が価格、時期、居住、思い入れのどれにあるのかを整理し、売却以外の選択肢も含めて話し合います。

必ずしも高く売れるとは限りません。解体費を価格へ転嫁できないこともあり、建物を残した方が買主の選択肢が広がる場合もあります。特に接道や再建築の条件に不安がある場合は、解体前の確認が必要です。

売却代金そのものではなく、原則として売却による利益に対して譲渡所得税が計算されます。取得費、売却費用、所有期間、利用できる特例によって税額が変わるため、個別に確認が必要です。


まとめ|売却を急ぐ前に、実家の現在地を整理する

相続した実家を売却するときは、すぐに不動産会社へ売却を依頼したり、家財の処分や解体を始めたりするのではなく、まず次の7項目を確認します。


  1. 遺言書があるか

  2. 相続人は誰か、売却についてどう考えているか

  3. 相続財産と借入れはどうなっているか

  4. 土地と建物の登記名義は誰か

  5. 建物や残置物はどのような状態か

  6. 境界・道路・越境などに問題がないか

  7. 維持費・税金・売却期限をどう考えるか


相続不動産は、登記だけ整えれば売れるとは限りません。家族の意向、建物の状態、残置物、境界、私道、税金などが重なり、想定より時間がかかることがあります。

一方で、問題があるからといって売却できないと決まったわけでもありません。現在の状況を洗い出し、対応する順番を決めることで、売却・保有・活用を比較できるようになります。


相続した不動産の進め方に迷っている方へ

さくら都市デザインでは、相続した実家、空き家、共有名義、私道や再建築の問題など、一般的な売却方法では進めにくい不動産についてご相談を受けています。

すぐに売却すると決めていない段階でも構いません。登記や権利関係、建物の状態、相続人の意向を確認し、どのような選択肢が考えられるかを整理します。









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公的情報・確認資料

本記事の制度・手続きに関する内容は、以下の公的機関の情報を基に確認しています。





 
 
 

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