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相続した実家に残置物がある場合、そのまま売却できる?

  • 7月31日
  • 読了時間: 8分

相続した実家に家具、家電、衣類、食器、仏壇などの残置物が多く残っていると、「全部片付けなければ査定も売却もできない」と考えがちです。しかし、残置物がある状態でも査定はでき、買主との合意次第では、そのまま引き渡せる場合があります。

ただし、売主が撤去する一般的な売却と、買主が残置物を引き受ける現況渡しでは、売却価格、買主層、撤去費用、契約内容が変わります。また、相続人の一人が独断で家財を処分すると、ほかの相続人とのトラブルになるおそれがあります。先に必要品と処分品を分け、誰がどこまで片付けるかを決めることが重要です。

残置物と空き家の状態をまとめて整理したい場合は、空き家の整理・売却相談をご確認ください。売却を決める前でも、残したまま査定する場合と撤去後の条件を比較できます。



この記事の結論

残置物があっても査定・売却できる場合があり、査定前にすべて捨てる必要はありません。

先に貴重品、権利書、通帳、印鑑、写真、形見、借用品を確認し、相続人間で処分範囲を決めます。

売主撤去・現況渡し・契約後撤去を、査定額ではなく撤去費を差し引いた手取りで比較します。



残置物がある実家を売る3つの方法

方法

特徴と注意点

売主が撤去してから引き渡す

一般の個人買主にも見てもらいやすい。売主が先に費用と手間を負担する

残置物を含む現況渡し

片付けの負担を抑えやすい。買主が限定され、価格に撤去費が反映されやすい

契約後に売主が撤去する

買主確定後に片付けられる。撤去範囲・期限・未撤去時の対応を契約で定める


売主が撤去してから引き渡す

通常の中古住宅売買では、売主が不要な家財を撤去し、室内を空にして引き渡す方法が一般的です。室内の広さや建物状態を確認しやすくなり、居住目的の個人買主にも検討してもらいやすくなります。残置物撤去には、分別、搬出、車両、処分、清掃などの費用がかかるため、複数社へ同じ範囲で見積りを依頼します。

先に全量を処分すると、買主が残してほしかったエアコンや照明、家具まで撤去してしまうことがあります。査定時は片付いていなくてもよいため、まず不動産会社に見てもらい、売り方と残す設備を決めてから作業する方が無駄を避けやすくなります。


残置物を含めて現況のまま売る

不動産会社の買取や、解体・大規模改修を予定する買主であれば、家財を残した現況売却に対応できることがあります。遠方に住んでいる、物量が多い、短期間で整理したい場合には、売主の負担を抑えられる選択肢です。

一方、買主は撤去費と手間、処分量が増えるリスクを見込むため、その分が価格へ反映されます。「残置物一式」と曖昧にせず、建物内、庭、物置、倉庫、床下、屋根裏にある物を写真や一覧で共有し、引渡し後に買主が処分できることを契約で明確にします。


売買契約後、引渡しまでに撤去する

買主を確定してから売主が撤去する方法なら、売却前に費用を負担する不安を減らせます。ただし、短期間での分別・搬出が必要になり、重要品の確認が不十分になることがあります。契約書には撤去対象、残す設備、期限、費用負担、期限までに終わらない場合の対応を記載します。



処分を始める前に確認したい6項目


1.誰の所有物か、処分に合意しているか

家財は不動産とは別の動産です。故人の所有物は相続財産となり、同居していた家族の物、借用品、預かり品が混在することもあります。遺産分割協議が終わっていない段階で高価な物や思い出の品を一人が処分すると、価値や分配をめぐって争いになりかねません。

相続人全員で、持ち帰る物、売却する物、寄付・供養する物、廃棄する物を確認します。遠方の相続人には室内写真や一覧を共有し、処分への同意と費用分担を記録に残します。


2.重要書類・貴重品が紛れていないか

権利証・登記識別情報、固定資産税の通知書、売買契約書、測量図、通帳、印鑑、保険証券、株券、貴金属などを先に探します。不動産を売るには相続登記や本人確認に必要な資料もあるため、書類を一括廃棄しないことが大切です。

引き出し、金庫、仏壇、衣類のポケット、本の間、封筒、押入れ、物置まで確認します。現金や有価物が見つかった場合は、発見場所と内容を記録し、相続人へ共有します。デジタル機器は個人情報を消去してから売却・処分します。


3.残す設備と撤去する家財を分ける

エアコン、照明、カーテン、物置、庭石、植木、給湯器などは、建物設備なのか撤去対象なのか判断が分かれやすい物です。買主が利用したい場合もあるため、査定担当者と相談し、付帯設備表や残置物一覧へ反映します。仏壇や位牌は親族・寺院と相談し、一般の不用品と同じ扱いにしないようにします。


4.物量と撤去費用を把握する

費用は部屋数だけでなく、物量、分別状態、階段、道路幅、駐車位置、大型家具、家電、危険物、庭や倉庫の荷物で変わります。見積りでは、作業人数、車両、処分費、買取品の控除、追加料金、清掃範囲を確認します。写真だけの概算ではなく、可能なら現地見積りを依頼します。


5.適切な処分ルートを確認する

家庭から出る廃棄物は、市区町村のルールに沿って処分します。家庭ごみの収集運搬を業者へ任せる場合は、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可または委託を確認します。古物商許可や産業廃棄物収集運搬業許可だけでは、家庭の廃棄物を収集・処分できるとは限りません。家電リサイクル対象品、パソコン、消火器なども個別の方法を確認します。


6.売買契約で処分権限を明確にする

残置物を残して引き渡す場合は、買主が引渡し後に使用・売却・廃棄できること、売主が返還を求めないこと、撤去費用を誰が負担するかを明記します。売主が撤去する場合は、対象と期限、残した場合の処理費、引渡し延期の扱いを定めます。口頭合意だけにせず、写真や一覧を添付すると認識違いを防ぎやすくなります。



手取りと負担を比較する進め方

まず、片付け前の状態で査定を依頼し、残置物を残す条件と売主が撤去する条件の両方を確認します。次に、撤去会社の見積り、売却までの管理費、遠方から通う交通費、相続人の作業時間を並べます。撤去後の査定額が上がっても、費用と期間が増えれば手取りが増えるとは限りません。

買取は残置物込みの条件を提示しやすく、仲介は室内を空にすることで幅広い買主へ見せやすくなる傾向があります。建物の状態、売却希望時期、相続人の負担を踏まえ、方法を選びます。必要な物だけ先に確保し、売却条件が決まるまで大きな処分を待つ進め方も可能です。

残置物を含む現況売却と撤去後売却を同じ条件で比較すると、先に片付けるべきか、どこまで残せるかが整理できます。



よくある質問

Q.残置物が多く、室内に入れなくても査定できますか?

A.査定できる場合はあります。まず外観、土地条件、登記情報を確認し、可能な範囲で室内を見ます。ただし、建物状態や物量を正確に把握するには、安全を確保したうえで現地確認が必要です。

Q.査定前に遺品整理業者へ依頼した方がよいですか?

A.必須ではありません。売り方によっては残置物込みで引き渡せます。先に重要品を確保し、不動産の査定と撤去見積りを取ってから、作業範囲を決めると無駄を抑えられます。

Q.残置物撤去費は売却代金から支払えますか?

A.買主や撤去会社との条件によります。契約後に撤去する方法や、買主が引き受けて価格へ反映する方法もあります。支払時期と売買が成立しなかった場合の負担を事前に確認します。

Q.相続人の一人だけで家財を処分できますか?

A.故人の所有物や共有の可能性がある物を独断で処分するのは避けます。相続人間で必要品、売却品、処分品、費用負担を確認し、同意を記録してください。



まとめ

相続した実家に残置物があっても、査定や売却ができないとは限りません。売主が撤去して引き渡す方法、残置物込みで現況売却する方法、契約後に撤去する方法があり、買主、価格、費用、期間が異なります。

処分前に相続人の合意を取り、重要書類、貴重品、形見、借用品を確認します。そのうえで残置物の範囲と量を共有し、査定額から撤去費を差し引いた手取りを比較します。残す物、処分権限、費用負担、期限を契約書へ落とし込むことが、引渡し後のトラブルを防ぐポイントです。



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売却方法が決まっていない段階でも相談できます。残す物を先に確保し、現況売却と撤去後売却の条件を比較します。



参考文献・公的資料


※廃棄物の分別・収集・運搬方法は自治体により異なります。残置物の所有関係、相続、売買契約、税務は個別事情に応じ、自治体、弁護士、司法書士、税理士、不動産会社などへご確認ください。

 
 
 

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