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相続登記をしていない不動産を放置するとどうなる?

  • 7月29日
  • 読了時間: 8分

親や祖父母が亡くなった後も、実家や土地の登記名義が故人のまま残っていることがあります。

固定資産税を払い、建物を管理しているため、「売るときに名義を変えればよい」と考える方もいるでしょう。しかし、相続登記をしないまま時間がたつと、次の相続が発生して関係者が増え、必要書類の収集や話合いが難しくなる可能性があります。

2024年4月1日から相続登記が義務化され、義務化前の相続も対象です。ただし、未登記だからといって直ちに不動産を失うわけではありません。まず現在の名義、相続人、遺言書遺産分割の状況を確認し、必要な対応を整理することが大切です。



この記事の結論


相続登記を放置すると、過料の可能性だけでなく、売却、賃貸、建替え、融資、将来の相続にも影響します。


最初に確認するのは、次の4点です。

  1. 登記上の名義人は誰か

  2. 名義人が亡くなったのはいつか

  3. 遺言書や遺産分割協議書があるか

  4. 不動産を取得する人が決まっているか


取得者が決まっている場合は、通常の相続登記を検討します。話合いがまとまらず期限内の登記が難しい場合は、相続人申告登記を利用できることがあります

ただし、相続人申告登記だけでは不動産の取得者や持分は確定せず、そのまま売却することもできません。



相続登記を放置する主な5つのリスク



1.期限を過ぎると過料の対象になる可能性がある

相続によって不動産を取得したことを知った人は、原則として、その日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。

正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。ただし、期限を過ぎた瞬間に自動で過料が科されるわけではありません。期限を過ぎている可能性がある場合も、そのまま放置せず法務局や司法書士へ確認します。


2.義務化前の古い相続も対象になる

2024年4月1日より前に発生した相続も対象です。

以前から故人名義のまま残っている不動産は、原則として2027年3月31日までに対応が必要です。ただし、具体的な期限は不動産を相続したことを知った時期などにより異なる場合があります。


3.次の相続で関係者が増える

相続登記をしないまま相続人が亡くなると、その人の配偶者や子が権利を引き継ぎます。

当初は兄弟2人で話せばよかった不動産でも、甥・姪を含む多数の相続人との調整が必要になることがあります。人数が増えるほど、所在確認、戸籍収集、署名押印に時間がかかります。

相続が複数回発生して祖父名義のまま残っている場合は、祖父名義のまま残っている不動産を売却するには?で、数次相続の整理手順を確認できます。


関係者が多く、全員との調整が必要な場合は、相続人が多い不動産を売却するまでの進め方もあわせてご覧ください。



4.売却・賃貸・建替えが進みにくくなる

故人名義のままでも、不動産会社への相談や査定は可能です。ただし、故人名義のまま買主へ所有権を移転することはできません。

賃貸、建替え、融資、担保設定などでも、所有者や権限の確認が必要です。将来の活用方針が決まっていなくても、名義だけは早めに確認しておく方が選択肢を残せます。


5.管理責任や物件問題が曖昧になる

固定資産税、草刈り、修繕、火災保険などの負担は、名義が故人のままでも続きます。

誰が管理費を負担するか決まらないまま放置すると、相続人間で対立する可能性があります。また、空き家の老朽化、境界、越境、私道、未登記建物など、登記以外の問題が悪化することもあります。


空き家の管理や売却も含めて整理したい場合は、空き家・古家・老朽化物件の相談ページをご確認ください。


私道の通行・掘削承諾や接道条件も確認したい場合は、私道の整理・売却相談で確認項目をまとめています。


相続登記の期限

状況

原則となる期限

2024年4月1日以後に相続した

取得を知った日から3年以内

遺産分割で取得者が決まった

遺産分割成立日から3年以内

義務化前から未登記

原則2027年3月31日まで

話合いがまとまらない

相続人申告登記を検討

期限の起算日は、単純に死亡日から3年とは限りません。相続発生日、取得を知った日、遺産分割の成立日を確認します。



相続人申告登記と通常の相続登記の違い


比較項目

相続人申告登記

通常の相続登記

主な目的

申請義務を簡易に履行する

取得者へ名義を移す

単独での手続き

各相続人が単独で申出可能

原因・方法により異なる

持分の確定

確定しない

所有者・持分が登記される

売却

これだけではできない

売却手続きの前提になる

遺産分割後

別途登記が必要

分割内容を反映できる

相続人申告登記は、遺産分割がまとまらない場合に期限対応として利用できる制度です。

ただし、遺産分割を解決する制度ではありません。将来売却や活用を行うには、取得者を決め、通常の相続登記を行う必要があります。



今から行う5つの手順



1.登記事項証明書で名義を確認する

固定資産税の納税通知書に自分の名前があっても、登記名義が変更されているとは限りません。土地・建物の登記事項証明書を取得し、所有者、共有持分、抵当権などを確認します。


2.相続人と遺言書を確認する

名義人の死亡日、戸籍上の相続人、遺言書の有無を確認します。数代前の名義の場合は、途中で亡くなった相続人についても調査が必要です。


3.遺産分割の状況を確認する

遺産分割協議書がある場合は、不動産の取得者と物件表示を確認します。口頭で決めただけの場合は、現在の相続人全員の認識が一致しているか確認します。


4.不動産の方針を整理する

売却だけでなく、残す、住む、貸す、活用する方法も比較します。

市場価格、修繕費、管理費、共有状態、将来の相続を確認すると、誰が取得するか判断しやすくなります。登記前でも査定や物件調査は始められます。


5.専門家の役割を分ける

  • 司法書士:相続登記、戸籍収集

  • 弁護士:相続人間の争い、調停

  • 税理士:相続税、譲渡所得

  • 不動産会社:査定、現地・役所調査、売却・保有・活用条件の整理

さくら都市デザインでは、司法書士等と連携しながら、不動産の価格、管理負担、境界、私道、未登記建物などを整理します。



早めに確認した方がよいケース


次に該当する場合は、登記と物件調査を早めに始めます。

  • 現在も故人名義のまま

  • 2027年3月31日の期限が近い

  • 相続人が高齢、海外居住、連絡困難

  • 次の相続がすでに発生している

  • 祖父母など数代前の名義

  • 売却、賃貸、建替えを検討している

  • 空き家の老朽化や近隣への影響がある

  • 境界、越境、私道、未登記建物の問題がある


すべてを一度に解決する必要はありません。期限対応と、不動産を今後どうするかを分けて整理します。


相続人や名義、物件の状態をまとめて相談したい場合は、相続不動産の整理・売却相談をご利用ください。



よくある質問


相続登記をしていないと、不動産を国に取られますか?

相続登記をしていないことだけを理由に、直ちに国へ取られるわけではありません。ただし、過料の可能性や権利関係の複雑化があります。

納税義務者と登記名義人は一致しない場合があります。登記事項証明書で確認してください。

期限を過ぎても相続登記は可能です。放置を続けず、法務局や司法書士へ確認します。

期限対応として相続人申告登記を検討できます。ただし、遺産分割そのものは解決しないため、必要に応じて弁護士への相談や遺産分割調停を検討します。

査定や物件調査は可能です。登記に必要な期間と、境界、建物、私道などの問題を並行して確認すると、今後の方針を決めやすくなります。



まとめ


相続登記を放置しても、直ちに不動産を失うわけではありません。しかし、時間がたつほど相続人や必要書類が増え、売却・保有・活用が難しくなります。

まず登記名義、相続人、遺言書、遺産分割の状況を確認し、通常の相続登記を行うのか、期限対応として相続人申告登記を利用するのかを整理します。

売る、残す、貸す、活用するという選択肢を残すためにも、登記と物件調査を早めに始めることが大切です。



相続登記と不動産の整理を一緒に進めたい方へ


さくら都市デザイン株式会社では、相続登記前の段階から、価格査定、現地・役所調査、境界、私道、未登記建物などを確認し、売却・保有・活用の条件を整理します。

相談した時点で、売却を決める必要はありません。現在分かっている資料と状況から、最初に確認すべきことをご案内します。






関連記事


参照した公的資料


  • 法務省「相続登記の申請義務化について」

  • 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」

  • 法務省「相続人申告登記について」

  • 東京法務局「相続登記が義務化されました」

  • 裁判所「相続・遺産分割」

※制度、期限、必要書類は個別事情により異なります。公開時点で最新情報を再確認してください。

 
 
 

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