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祖父名義のまま残っている不動産を売却するには?

  • 7月29日
  • 読了時間: 8分

実家や土地を売却しようとして登記事項証明書を確認したところ、名義が亡くなった祖父や祖母のままだった、ということがあります。

祖父の死後に相続登記をしないまま父母の世代でも相続が発生している場合、現在の家族だけで売却できるとは限りません。祖父の相続人と、その後に権利を引き継いだ人を確認します。

このように、最初の相続について遺産分割や相続登記が終わる前に次の相続が発生した状態を、一般に「数次相続」といいます。

祖父名義のままでも査定や物件調査は始められます。ただし、故人名義のまま買主へ所有権を移転することはできないため、決済までに現在の取得者への相続登記を完了させる必要があります。

相続人や名義、物件の状態をまとめて整理したい場合は、相続不動産の整理・売却相談をご確認ください。



この記事の結論

祖父名義の不動産を売却するには、祖父から現在の取得者までの相続関係を戸籍でつなぎ、必要な遺産分割と相続登記を完了させることが原則です。

最初に確認するのは次の5点です。

  1. 土地と建物の登記名義人

  2. 祖父が亡くなった時点の相続人

  3. その後に亡くなった相続人

  4. 遺言書や過去の遺産分割協議書

  5. 現在の相続人の連絡状況と意向

相続の経過によっては、祖父から現在の相続人へ直接登記できる場合があります。

ただし、登記方法は死亡した順番、各時点の相続人、遺産分割の内容によって異なります。司法書士へ確認しながら、査定や境界、私道、建物の状態も並行して調べることが大切です。



祖父名義の不動産で起きる数次相続とは

数次相続とは、最初の相続について遺産分割や相続登記が終わらないうちに、相続人の一人が亡くなり、次の相続が発生している状態です。

例えば、祖父の相続人が祖母、長男、次男だったものの、遺産分割をしないまま長男が亡くなった場合、長男の配偶者や子が長男の相続上の地位を引き継ぎます。

祖母や次男も亡くなっていれば、その相続人も確認します。時間がたつほど関係者が増え、所在不明、海外居住、認知症などの事情も加わります。


代襲相続との違い

代襲相続は、本来の相続人が被相続人より先に亡くなっている場合に、その子などが代わって相続する仕組みです。

数次相続は、被相続人が亡くなった後に相続人が亡くなり、いったん取得した相続上の地位を次の相続人が引き継ぐ点が異なります。誰が協議に参加するかは死亡した順番で変わるため、現在生きている親族だけで判断しないことが重要です。




祖父名義の不動産を売却する7つの手順


1.土地と建物の名義を確認する

土地と建物それぞれの登記事項証明書を取得します。土地は祖父名義でも建物は父名義、建物が未登記、増築部分だけ未登記という場合もあります。

固定資産税の納税通知書に現在の家族の名前があっても、登記名義が変更されているとは限りません。


2.祖父の戸籍を集める

祖父が亡くなった時点の相続人を確定するため、原則として出生から死亡まで連続した戸籍、除籍、改製原戸籍を確認します。

祖父の子が祖父より先に亡くなっていれば代襲相続、祖父の後に亡くなっていれば数次相続として整理します。


3.その後の相続人を確認する

祖父の相続人のうち、現在までに亡くなった人がいれば、その人の相続人も戸籍で確認します。

相続人が多く、全員との調整が必要な場合は、相続人が多い不動産を売却するまでの進め方もあわせてご覧ください。


4.遺言書と過去の協議書を探す

遺言書や過去の遺産分割協議書があれば、不動産の取得者がすでに決まっている可能性があります。

実家の金庫、仏壇、書類棚、貸金庫などを確認し、遺言書、協議書、権利証、固定資産税資料、境界資料、建築関係書類を探します。


5.取得者と売却方針を決める

相続人が確定したら、誰が不動産を取得し、誰が売主になるかを決めます。

売却代金を分ける場合は、換価分割として売却後の代金配分を協議書へ明記する方法があります。一人が取得して他の相続人へ金銭を支払う代償分割もあります。

全員を共有名義にすると、売買契約や本人確認、日程調整に全員の協力が必要になるため、売却方法まで考えて取得者を決めます。


6.相続登記と物件調査を並行する

相続関係を整理している間に、不動産会社へ査定と物件調査を依頼できます。

確認する主な項目は、売却価格、境界、越境、接道、再建築の可否、私道の通行・掘削、未登記建物、残置物、賃借人、抵当権などです。

私道や接道条件は私道の整理・売却相談、管理や残置物、老朽化は空き家・古家・老朽化物件の相談をご確認ください。


7.現在の取得者へ登記して売却する

遺産分割の内容が決まったら、現在の取得者へ相続登記を行います。

数次相続では、中間の相続が単独相続か共有相続かによって登記方法が変わります。登記完了の見込みを司法書士へ確認したうえで、売買契約と決済の日程を調整します。

故人名義のまま売却できるかを詳しく確認したい場合は、相続登記をしていない不動産を放置するとどうなる?もご覧ください。




相続人全員の合意が必要になるのか

遺産分割によって取得者を決める場合、原則として、その遺産分割に関係する相続人全員の合意が必要です。

祖父の相続人がその後亡くなっている場合、その人の相続上の地位を引き継いだ配偶者や子も含まれる可能性があります。

一方、有効な遺言書や過去の遺産分割協議書によって取得者が確定していれば、新たな協議が不要なこともあります。

所在不明、協議拒否、認知症、海外居住などがある場合は、早めに司法書士または弁護士へ相談します。話合いがまとまらなければ、遺産分割調停・審判を検討します。



必要書類の目安

区分

主な書類

不動産

登記事項証明書、固定資産評価証明書、名寄帳

祖父の相続

出生から死亡までの戸籍、除籍、改製原戸籍

次の相続

亡くなった相続人と現在の相続人の戸籍・住民票

遺産分割

遺産分割協議書、印鑑証明書

遺言

遺言書、検認済証明書など

売却準備

権利証、境界・建築資料、本人確認資料

法定相続情報一覧図を利用すると、戸籍の束に代えて一覧図の写しを複数の相続手続で使用できる場合があります。数次相続では、どの相続について一覧図を作るかを司法書士へ確認します。


よくある質問

祖父名義のままでも査定できますか?

査定や現地・役所調査は始められます。ただし、売買の決済までに売主となる人への相続登記が必要です。

相続の経過によって可能な場合がありますが、常に認められるわけではありません。各相続段階が単独相続か共有相続か、遺産分割の内容などを司法書士へ確認してください。

その人の合意が必要であれば、連絡が取れないまま任意売却を進めることは困難です。住所調査や不在者財産管理人などを検討する場合があるため、弁護士へ相談します。

遺産共有状態の不動産全体を任意売却する場合、原則として多数決では売却できません。遺産分割協議、調停、審判などで取得者や処分方法を決めます。

相続人申告登記だけでは取得者や持分が確定しないため、そのまま売却はできません。売主となる人への相続登記が必要です。



まとめ

祖父名義の不動産を売却するには、現在の家族だけで話を進めず、祖父が亡くなった時点から死亡順に相続関係を確認します。

相続人、遺言書、過去の遺産分割を確認し、現在の取得者を決めて相続登記を行います。同時に査定、境界、私道、未登記建物などを調べることで、登記後に売却上の問題が判明するリスクを減らせます。

戸籍や書類がそろっていなくても、家族関係と不動産の所在地から調査を始めることは可能です。


祖父名義の不動産をどこから整理すべきか分からない方へ

さくら都市デザイン株式会社では、相続登記前の段階から、査定、現地・役所調査、境界、私道、未登記建物、空き家管理などを整理します。

必要に応じて司法書士、弁護士、税理士、土地家屋調査士等と連携し、売却だけでなく、残す、貸す、活用する方法も検討します。





関連記事




参考文献・公的資料

  • 法務省「相続登記の申請義務化について」

  • 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」

  • 法務省「相続人申告登記について」

  • 法務局「法定相続情報証明制度について」

  • 裁判所「相続・遺産分割」

  • 裁判所「遺産分割調停」


※登記方法、必要書類、遺産分割の参加者は個別事情で異なります。公開時点で最新の公的情報を再確認してください。

 
 
 

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