底地・借地権・駐車場を一体で整理した売却事例|戸建2棟が建つ土地として価値を高めて売却
更新日:9月10日

単独では活用しにくい土地をまとめ、所有権の戸建用地として整理した事例
東京都墨田区にある約20坪弱の底地と、隣接する約10坪の駐車場について、共有者である兄弟から売却のご相談を受けました。
駐車場部分は所有権でしたが、面積が小さく、そのままでは戸建用地として活用しにくい土地です。一方の底地には借地権が付いており、借地上の建物は相続後約3年間、空き家の状態が続いていました。
それぞれを単独で売却すると、駐車場は駐車場としての収益性、底地は底地としての価格で評価される可能性が高くなります。そこで今回検討したのが、駐車場・底地・借地権を一体で整理する方法でした。
借地人側の兄弟姉妹とも調整を進め、最終的には当社が駐車場、底地、借地権をそれぞれ取得。権利関係を一本化したことで、戸建2棟を建築できる所有権の土地として戸建会社へ売却することができました。
所在地 | 東京都墨田区 |
底地 | 約20坪弱 |
駐車場 | 約10坪・所有権 |
地主 | 兄弟2名の共有 |
借地人 | 兄弟姉妹3名 |
借地上建物 | 相続後約3年間空き家 |
最終的な整理 | 駐車場・底地・借地権を当社が取得し一本化 |
売却先 | 戸建会社 |
最終利用 | 戸建2棟の建築用地 |
期間 | 調整開始から最終的な売却まで約1年半 |
売却経緯|底地と小規模な駐車場をまとめて整理
今回のご相談は、地主側の共有者である兄から始まりました。
地主兄弟は、約20坪弱の底地と約10坪の駐車場を共有しており、売却条件や価格についてそれぞれに考えがありました。弟も売却自体には大きな抵抗はなく、一定の価格になるのであれば地代収入を受け取り続けるより現金化したいという意向でした。
ただし、駐車場部分だけを見ると約10坪しかなく、戸建用地として単独で利用するには小さい土地です。底地についても、借地権が付いたままでは通常の所有権の土地とは評価方法が異なります。
そこで、部分ごとに売却するのではなく、周辺の権利関係まで確認したうえで、全体を一体で整理できないか検討することになりました。
借地上建物は相続後3年間、空き家の状態
調査を進めると、借地上の建物が空き家になっていることが分かりました。
借地人側では約3年前に相続が発生しており、借地契約上は名義変更の手続きが行われていましたが、建物の登記名義は被相続人のままでした。
借地人側には姉・弟・妹の3人がおり、全員がすでにそれぞれ持ち家を所有しています。実家を相続したものの、誰かが住む予定はなく、家の中には両親の荷物も残されたまま。弟がときどき現地を訪れて換気などをしていましたが、実際には活用されていませんでした。
それでも地代の支払いは続きます。この状態であれば、借地権まで含めて同時に整理することで、地主側だけでなく借地人側にもメリットが出る可能性があると考えました。
空き家の借地権と底地をまとめて整理できるケースもあります
「相続したものの誰も住んでいない」「地代だけを払い続けている」「底地と一緒に売却できるのか分からない」といった場合でも、地主側と借地人側の条件を確認することで、一体で整理できる可能性があります。
借地人側の意向を整理し、売却のタイミングを待つ
借地人側で最初にお話をしたのは、3人兄弟姉妹の弟でした。地主様が連絡先を把握していたため、「地主様からのご紹介で」と電話をし、その後、喫茶店で現在の状況を伺いました。
弟と妹は売却に賛成しており、特に弟は使っていない家の地代を払い続けることに負担を感じていました。一方、姉には「実家なので残しておきたい」という気持ちがあり、3人の意見はまとまっていませんでした。
当社から提案書を送り、姉にも電話で内容を説明しましたが、すぐに合意には至りません。弟も姉との関係を悪くしたくないという意向だったため、無理に話を進めず、一度時間を置くことにしました。
地主側にも事情を説明したところ、売却を急いでいるわけではなく、条件が整う可能性があるのであれば待ちたいとの意向でした。その後も弟とは何度か打ち合わせを続け、再び兄弟姉妹で話せるタイミングを待ちました。
時間が経つ中で、空き家の地代負担はそのまま残ります。弟自身も先送りへの不安を強く感じるようになり、あらためて姉へ売却について提案。最終的には姉にも同意していただき、借地人側3名の意思をまとめることができました。
駐車場・底地・借地権を取得し、権利関係を一本化
地主側と借地人側の条件がまとまったことで、土地全体を一体で整理できる状態になりました。
取引対象は、約10坪の所有権の駐車場、約20坪弱の底地、その土地に付いている借地権です。
これらを別々の権利のまま売却すると、購入する側にとっても取引が複雑になります。戸建会社からも、できれば権利関係が整理された状態で取得したいという意向がありました。
そこで当社が駐車場、底地、借地権をそれぞれ取得し、権利関係を一本化。約10坪の駐車場と約20坪弱の借地部分を合わせ、一つの所有権の土地として扱える状態にしました。

単独では活用しにくかった土地が、戸建2棟の用地に
今回の整理によって最も大きく変わったのは、土地の利用方法です。
約10坪の駐車場だけでは戸建用地として使うことが難しく、約20坪弱の底地も借地権が付いている状態では地主が自由に利用できません。一方、借地人側では誰も住んでいない家に地代を払い続けていました。
それぞれ単独では活用方法に制約があったものの、駐車場・底地・借地権をまとめて整理したことで、土地全体を所有権として利用できるようになりました。
最終的には、戸建2棟を建築できる土地として戸建会社へ売却しています。地主側にとっては、駐車場や底地を個別に売るよりも土地としての価値を高めた状態で売却でき、借地人側も今後使う予定のない空き家と地代負担を整理することができました。
この案件で大切だったこと
今回の案件では、最初から約30坪の所有権の土地があったわけではありません。所有権の駐車場、底地、借地権という異なる権利があり、それぞれに複数の関係者がいました。
それらを個別に売却するのではなく、地主側と借地人側の意向を確認しながら条件を整理したことで、最終的には戸建2棟を建築できる土地として売却することができました。
不動産の価値は、面積や立地だけで決まるとは限りません。隣接する土地や底地・借地権などの権利をまとめることで利用方法が変わり、結果として土地の価値を高められるケースがあります。
厄介不動産の整理事例を書籍でも紹介しています

書籍『自分の不動産が“厄介”になった時に読む本』では、底地・借地、共有不動産、相続、私道など、一般的な不動産売却では進めにくいケースについて、さまざまな事例を交えながら整理の考え方を紹介しています。本記事とは異なる底地・借地のケースも掲載しています。
一都三県で底地・借地権の整理を検討している方へ
「底地だけでは希望する価格になりにくい」
「隣接する土地も含めて整理できないか知りたい」
「借地上の建物が空き家になっている」
このような場合、土地や権利を個別に売却する以外の方法が考えられることがあります。
底地、借地権、隣接地などの状況を確認しながら、一体で整理できる可能性があるかをご相談いただけます。





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