共有者と連絡が取れない不動産を売却する方法
- 6 日前
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兄弟姉妹や親族と共有する不動産を売りたいのに、一人だけ電話番号や住所が分からない、郵便が戻ってくる、何度連絡しても返答がないことがあります。連絡が取れない人の持分が小さくても、その人を除いて不動産全体を売れるわけではありません。
結論からいうと、共有不動産全体の売却には、原則として共有者全員の関与が必要です。まず登記と相続関係を確認し、所在調査と連絡を行います。それでも所在等が分からない場合は、不在者財産管理人や所在等不明共有者に関する裁判所の制度などを、状況に応じて検討します。
この記事では、「単に返事がない場合」と「所在等が分からない場合」を区別し、売却までに確認したい順序を解説します。
不動産全体の売却には共有者全員の関与が必要
共有持分とは、一つの不動産に対して各共有者が持つ所有権の割合です。自分の持分は原則として単独で処分できますが、不動産全体の売却では、連絡が取れない共有者の持分も買主へ移す必要があります。
例えば4人で共有し、3人が売却に賛成していても、残る1人の持分を無断で売ることはできません。「期限までに返答がなければ同意したものとする」と一方的に通知しても、通常は売却同意の代わりにはなりません。全員の意思や利用できる手続を確認する前に、違約金を伴う売買契約を先行させるのは避けましょう。

最初に行う権利関係と所在の確認
土地・建物ごとの共有者を確認する
登記事項証明書を取得し、土地・建物、私道持分などの名義人と持分割合を確認します。登記上の共有者が亡くなっていれば、その人の相続人が手続に関係します。相続登記が未了のままでは、現在の権利者を確定するために戸籍や遺産分割の状況をたどる必要があります。
登記上の住所は現在の住所とは限りません。親族が知る連絡先、過去の手紙、固定資産税の資料、共有物の管理記録なども整理し、弁護士や司法書士に相談すべき範囲を確認します。正当な理由なく第三者の個人情報を取得できるわけではないため、職務上請求等が使えるかは専門家が受任内容に応じて判断します。
死亡・認知症・単なる無回答を分ける
連絡が取れない原因によって必要な対応は異なります。亡くなっているなら相続人の確認、所在は分かるが意思能力に問題があるなら成年後見制度等の検討、住所へ郵便が届くのに返答がないなら条件提示や交渉方法の見直しが中心です。海外居住や長期入院でも、直ちに「所在等不明」になるわけではありません。
連絡方法と記録を整理する
判明した住所へ、売却を希望する理由、査定額、想定費用、手取見込額、回答期限、連絡先を記載した書面を送ります。通常郵便だけでなく、重要な案内は配達状況を確認できる方法も検討します。電話、メール、親族経由など複数の方法を使った場合は、日時、宛先、内容、結果を記録してください。
所在等不明共有者の制度を申し立てる場合、裁判所は必要な調査が行われたかを確認します。電話に出ない、家族と疎遠、手紙への返答がないという事情だけで、所在等不明と認められるとは限りません。一方、相手の所在が分かっているのに売却へ反対しているなら、所在不明の制度ではなく、条件調整、持分売却、共有物分割などを検討します。

連絡が取れない状態別の選択肢
自分の持分だけを売却する
自分の持分だけであれば、原則として他共有者の同意なく売却できます。連絡が取れない共有者を探し続けずに共有関係から離れられる可能性があります。ただし、買主はその共有者との関係を引き継ぐため、買主が限られ、価格は不動産全体の価格に持分割合を掛けた金額より低くなる傾向があります。詳しくは持分売却の基礎知識もご確認ください。
不在者財産管理人を選任してもらう
従来の住所や居所を去り、容易に戻る見込みがない不在者について、利害関係人等が家庭裁判所へ申し立て、不在者財産管理人を選任してもらう方法があります。管理人が不動産持分を売却するには、権限外行為許可が必要になるのが通常です。申立てには調査資料や予納金が必要になる場合があり、売却条件も裁判所の判断を受けます。
所在等不明共有者の持分取得制度を利用する
共有者の氏名または所在を通常必要な調査を尽くしても知ることができない場合、他の共有者は地方裁判所へ申し立て、その共有持分を取得できる制度があります。裁判所が定める金額の供託などが必要です。取得後に単独所有となる、または残る共有者全員が合意できれば、不動産全体の売却へ進められます。
所在等不明共有者の持分譲渡制度を利用する
他の共有者が自分たちの持分を特定の第三者へすべて譲渡することを前提に、所在等不明共有者の持分も同じ第三者へ譲渡する権限を裁判所から得る制度です。不動産全体を一人の買主へ売却する場面で検討できます。裁判の効力発生後、定められた期間内に売買を成立させる必要があるため、申立て前に買主と条件を具体化しておくことが重要です。
所在等不明の持分が相続財産に属する場合、相続開始から10年を経過していないと、持分取得・譲渡制度を利用できない制限があります。相続からの期間や遺産分割の状態を必ず確認してください。

裁判所手続を利用するときの注意点
裁判所の制度は、連絡不能というだけで自動的に利用できるものではありません。申立先、必要な調査、公告、鑑定や価格資料、供託額、予納金、売却期限などを確認する必要があります。どの制度が適するかは、共有者が生存しているか、所在が本当に不明か、相続開始から何年経過したか、持分だけを整理するか、第三者へ不動産全体を売るかで変わります。
また、所在等不明共有者が後から現れた場合に、供託金額を超える対価を主張する可能性もあります。売買価格の根拠を残し、申立てから決済・登記まで弁護士、司法書士、不動産会社が連携できる体制を整えましょう。
よくある質問
共有者が電話に出ないだけで、所在等不明共有者の制度を使えますか?
電話に出ないことだけでは足りません。登記、住民票等、親族への確認など、個別事情に応じた通常必要な調査をしても氏名や所在を知ることができないかが問題になります。
共有者へ郵便が届いても返答がない場合、不動産全体を売れますか?
無回答を同意とみなして全体を売ることは通常できません。条件を明示して再度連絡し、難しい場合は自分の持分売却や共有物分割などを検討します。
連絡が取れない共有者が亡くなっていた場合はどうしますか?
その人の相続人を戸籍等で確認します。相続人が複数いる、相続登記が未了、相続放棄がある場合は権利関係が変わるため、司法書士や弁護士へ確認してください。
所在等不明共有者の持分取得には、持分代金を払わなくてよいのですか?
無償で取得する制度ではありません。裁判所が定める金額を供託するなど、所在等不明共有者の持分に相当する対価を確保する手続が必要です。
売却を急ぐ場合、最初に何を用意すればよいですか?
登記事項証明書、固定資産税資料、取得経緯が分かる書類、共有者の旧住所・連絡先、返送郵便、連絡履歴を整理します。全体売却と持分売却の査定を分けて取ると選択肢を比較しやすくなります。
まとめ|所在と権利関係を確認してから制度を選ぶ
共有者と連絡が取れなくても、その人を除いて不動産全体を売却することはできません。まず登記と相続関係を確認し、所在調査と記録の残る連絡を行います。所在が分かるが返答しない場合と、通常必要な調査をしても所在等が分からない場合では、利用できる方法が異なります。
さくら都市デザインでは、共有者の人数、持分割合、連絡状況、相続、占有状況を確認し、全体売却、共有持分の買取、専門家と連携した整理方法を比較してご案内します。調査や手続の途中でもご相談いただけます。
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参考情報
※本記事は2026年7月時点の一般的な情報です。共有者の所在、相続開始時期、担保権、占有、分割禁止の合意等により扱いは異なります。具体的な法律・登記・税務上の判断は、弁護士、司法書士、税理士等へご確認ください。




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